釣果をもっと伸ばしたいアングラー必見!
ヤマメ・アマゴの季節別ポイント(着き場)やシチュエーション(場所)別のルアーで攻める際のポイント(着き場)をその生態や習性から紐解いて紹介していきます。
ヤマメやアマゴの生態
その生態や習性を知ることで、ヤマメやアマゴがどんな場所を好むのかを知ることができます。
適水温
水温が20℃以下の渓流域に生息しているヤマメとアマゴですが、高水温は苦手な魚です。0℃~20℃前後の水温で活動できるのですが、適水温は8℃~18℃です。
要するに、寒い季節は水温が上がりやすい流れが緩く日当たりの良い場所を好みますし、暑い季節は水温の上がりにくい上流域の流れが早めの場所や日陰を好むという事です。
食性
ヤマメやアマゴの食性は雑食です。
水の中を流れてくる水棲昆虫や、水面に落ちた羽化した後の昆虫や甲虫が主食ですが小魚等も食べる事があります。流れてくる小さな生き物は何でも食べてしまうほど食欲旺盛です。
渓流魚のエサとなる物が流れてくる場所で待ち構えている傾向があります。なので、流れが集まるような筋や反転流などの流下物が溜まるような筋がポイントになってきます。
降海性
海に下る事なくその河川に暮らし続ける陸封型のヤマメと、それに対し海に下って回遊し産卵の為に元の川に遡上してくる降海型をサクラマスと呼びます。また、陸封型のアマゴに対してその降海型をサツキマスと呼びます。
降海型は銀毛化といいパーマークが薄くなり輝く銀鱗(シラメと呼ばれます)になり、海に下っていきます。そして、産卵の為に4月~6月頃にその多くは遡上をします。
産卵
産卵の時期は、10月(紅葉の始まる頃)~11月(紅葉の終わる頃)までです。多くの河川において、9月末で禁漁期となるのは産卵期にヤマメやアマゴをはじめとする渓流魚の産卵を邪魔しない為です。
季節別のポイントになる場所の特徴
季節毎の有望ポイントはどこなのかを、詳しく紹介していきます。
春先(解禁当初)
解禁日は河川によって様々ですが、3月に多くの河川が解禁するでしょう。しかし、まだまだ寒い季節であり標高の高い地域では残雪があります。少し暖かになると雪シロ(雪解け水)が入り、水温は上がりません。
そのような河川では、やはりヤマメやアマゴの活性は低くルアーをなかなか追ってこないので、苦しい戦いを強いられることになります。
その為、おすすめなのは標高の低い地域の里川が水温も比較的上がりやすいので、釣りは幾分かはしやすいと思います。
その中でも、ヤマメやアマゴは日当たりの良い流の緩い場所を好みます。
また、解禁当初はほとんどの漁協が放流を行います。放流魚は比較的簡単に釣れますので、釣果を重視するのであれば、それを狙う手もありだと思います。
春~初夏
水温が渓流魚にとっての適水温になるのが、この季節です。
ヤマメやアマゴの活性が最も高くなり、一番釣果が出るのがこの時期です。
エサを求めて、浅瀬や深瀬の中をはじめ淵まで、どこでもポイントになってくるくらい活発になってきます。
その中でも一番の有望ポイントは、いくつもの流れが集まっているような筋を見つけたら、必ずそのポイントはチェックしてみましょう。かなりの高確率であなたのルアーを追ってくるでしょう。
夏
高水温(20℃を越えるような水温)になりやすい季節です。ヤマメ、アマゴは前述したように冷水を好む魚ですのです。この時期、ヤマメやアマゴは上流の冷水域を求めて生活圏を変化させます。里川などではなく源流域の方が釣果が望める季節になります。
また、水温ができるだけ上がる前(早朝)に釣りをしたり、湧き水がある場所や白い泡の中、木が覆い被さっているような日陰を狙うようにしましょう。
そして、この時期は河川の水が渇水(水が減って水位が下がること)になることが珍しくありません。水量が減るとその分、水温はさらに上がりやすくなり、魚のストレスやプレッシャーも上がるので釣りには向かなくなります。逆に、雨後のちょっとした増水時はチャンスになります。雨によって水温が下がって適水温に近づくからです。
秋
産卵に備え水温の低い上流域に移動していき、食性も貪欲になっていきます。
支流をはじめとした源流域に良型のヤマメやアマゴが遡上してきます。
できるだけ体力を温存するために、瀬尻や淵などの流れが比較的ゆるい場所に定位することが多くなります。
シチュエーション(場所)別のポイントの紹介
この章では場所(シチュエーション)毎のポイントを紹介していこうと思います。
瀬
ヤマメやアマゴの活性が高くなる時期には、瀬といわれるようなこんな場所に捕食する為に出てきます。瀬の中でも複数の流れが集まるような筋を攻めていきましょう。
また、見えている石だけにとらわれず、大きめの沈み石の裏側なども一級ポイントです。
流れ込み
上流から淵などに流れ込んでくるような場所を、流れ込みといいます。
白泡が立てば酸素量も豊富ですし、何よりエサなどがどんどん流れてくる場所になります。
白泡の切れ目あたりに、一番コンディションの良い良型の魚が居る事が多い場所です。
落ち込み・滝
超一級のポイントになります。
エサも豊富に流れてきますし、酸素量も多いポイントのため多くのヤマメやアマゴが潜んでいます。特に滝などがあるとそれ以上 上流には上れない(「魚止め」と言ったりします)ので、多くの魚がストックされている場合がほとんどです。
釣り上っていって、堰堤の落ち込みや滝を見つけたら例外無く全てのアングラーの心が躍ることになるでしょう。
トロ場・淵
流れが緩くなっている所をトロ場、流れが緩く深くなっている所を淵といいます。
春先は流れが緩いため水温が上がりやすくポイントになりますし、深場は逆に水温が上がりにくいので夏場のポイントになります。
また、深場には大物が潜んでいることがありますので、狙う価値は十分にあります。
合流点
支流と本流の合流点なども良いポイントです。理由は2つの大きな流れからエサが集まってくるからです。
合流した太い流の両脇で、ヤマメやアマゴがエサを待ち構えていることが多いです。
なお、合流の川幅の規模は関係ありません。小さくても大きくても大丈夫です。
流れが集まっているという事が重要にだからです。
まとめ
ヤマメやアマゴは冷水温を好み、適水温は8℃~18℃。彼らはいつも、居心地のいい場所を探しています。
そして、エサの集まる流れの筋で捕食の為に待ち構えています。そう、彼らはエサを捕ることを第一にポジショニングします。
水温と流れの筋、これを見極めることによって簡単にヤマメやアマゴの居る場所を知ることができます。
そうです。これらを知ることで、魚が居ない場所で無駄に粘って時間を浪費するような事がなくなります。
ここには居るはずだ。という確信のもとでルアーフィッシングを楽しめるようになったことを願っています。