ルアーの起源はスプーンだといわれています。
湖にボートを浮かべて釣りを楽しんでいた釣り人が、ボート上で食事をとっていた時に誤って食事用のスプーンを湖に落とし、ひらひら・キラキラと沈んでいく食事用のスプーンに魚が飛びついてくる光景を目の当たりにしました。
後日、その釣り人が食事用のスプーンにフックを付けて釣りを楽しんだ事からルアーの歴史が始まります。
ここでは、そんな昔から親しまれているルアーの定番『スプーン』の使い方や、おすすめカラーやおすすめの重さ等の選択についてを中心に紹介していきます。
スプーンってどんなルアー?
前述したように、食事用のスプーンから発展した金属の板でできているルアーです。
その形状によって、リトリーブ(巻く)すると水の抵抗を受けて様々なアクションをします。
非常に扱いやすく釣りやすいルアーです。
どんな種類があるの?
スプーンの形状は大別すると6種類です。
それぞれに特徴があるので、釣り方や好みによって選択しましょう。
リーフ
葉っぱに形状が似ている事から、そう呼ばれています。
最もオーソドックスな形状になります。横から見ると食事用のスプーンの様に湾曲しています。
アクションも最もオーソドックスで、ゆっくり大きなウォブリング(ヒラ打ち)になります。
ウィローリーフ
リーフに似ていますが水切れの良い形状のものが多いです。
横から見るとS字型に湾曲しています。
アクションもその形状から、リーフに比べて細かいウォブリング(ヒラ打ち)をします。
ティアドロップ
涙の雫のような形状をしたものです。
重心が先端側にあることからロングキャスト性能が高くなっています。
また、幅広い形状のなので水の抵抗を受けやすく、沈むスピードはゆっくりです。
アクションも大きめのウォブリング(ヒラ打ち)をします。
ベンダー
横から見ると『く』の字型に曲げられたルアーです。
シャープでアクセントの効いたウォブリング(ヒラ打ち)をします。
エッグシェル(コロラド)
一番食事用のスプーンの形状に近いです。
リーフよりもゆっくり大きなウォブリング(ヒラ打ち)になります。
ハイブリッド
上記のどれにも当てはまらない形状で、様々なものが存在します。
アクションもその形状によって様々です。ウォブリングアクションではなくグルグルと回転するようなものやイレギュラーなアクションをするものまで色々あります。
そして、渓流魚がスレてきて、何をやってもお手上げ。。。というような時に、普段使わないような形状のものを1つ持っていると状況を打開できるかもしれません。
状況別おすすめカラー選択
カラーはゴールド(金)とシルバー(銀)を基本に選択していきます。
状況として、活性が高い時または日の光が弱い時、川の水が濁りぎみ⇒ゴールド系を選択しましょう。
例えば、朝マズメには『赤金』『オレンジ金』等を選択するのがオススメです。
逆に、活性が低い時または日の光が強い時、川の水がクリア⇒シルバー系を選択しましょう。
例えば、日が高くなってきて川の中の状況も目視できるようになってきたら『青銀』『緑銀』等を選択するのがオススメです。
ただし、どピーカンの真っ昼間またはスレてきた状況と時等は、ゴールドやシルバーだとアピールが強すぎて逆に渓流魚達に嫌われます。
そうした時は、『黒』『茶』『黄』などの光沢の無いマッディーな色を選択すると良いでしょう。
基本的には上記のような考え方で良いのですが、必ずこうでなくてはならない というわけでは無いので色々と試してみましょう。
同じ場所で何投もするような時は、必ずスレる前にルアのカラーローテーションをしてください。派手な色から地味な色に変えていくのが基本になります。
それと、個人的に緑系(『緑金』や『緑銀』等)はイワナに非常に相性が良いように思います。一つは持って行く事を強くオススメします。
状況別おすすめ重さ選択
渓流でおすすめするスプーンの重さは、3g~7gです。
浅瀬や流れの緩い場所では、3g~5gくらいが使いやすいと思います。
深瀬や流れの速い場所では5g~7gくらいが使いやすと思います。
要するに、自分がトレースしてきたいレンジ(深さ)をキープしてリトリーブできるかを軸に重さの選択をしることになります。
(本流等の規模の大きな川でロングキャストしなくてはならない状況や荒瀬の中を引いてきたい場合は、10数g~20gという重いスプーンを用意する必要があります。)
使い方・釣れるアクション(巻き方)
上流に向かってキャスト(アップもしくはアップクロス)し流れに乗せて(流れより少しだけ速く)巻いてきて、途中で流れを横切る(ターンさせる)というラインをトレースするのが、一番効果的です。
もしくは、流れに横切るように(クロス)キャストもしくは下流(ダウンクロス)キャストし、ターンをさせながら下流に向けて流していくというラインにトレースしても良い場合があります。
そして、そのアクションのさせ方(巻き方)としては、大きく3つに大別されます。
ただ巻き
おそらく一番多用されるのが、ただ巻きです。
レンジ(深さ)キープしながら『ただ巻き』するだけで、そこに渓流魚がいればスプーンを追ってきます。
追ってこなければ、レンジ(深さ)が合っていないので、違うレンジ(深さ)を攻めます。
着水後に巻かなければスプーンはどんどん沈んでいくので、狙いたいレンジ(深さ)にきたら巻き始めるという感じで、渓流魚のいる場所を探っていきます。
トゥイッチ
追ってくるけどバイトまでいかない。というような時は、トゥイッチ(ロッドをあおってルアーに機敏なアクションを入れる事)を入れながら巻くと食ってきたりします。
”1巻き毎に1トゥイッチ” や ”2巻き毎に1トゥイッチ”が効果的です。
イレギュラーなタイミングでトゥイッチを入れるのもいいかもしれません。
フォール
流れがあまり無い場所や落ち込みの中を攻める時に有効な方法です。
要するに、巻かずに自然に沈めていくアクションでひらひら・キラキラとアピールさせます。
夏の落ち込みの中(白泡の中)に潜むイワナに効果的だったりします。
また、フォールを発展させたリフト&フォールというアクションも効果的です。フォールさせ着底後(もしくは着底寸前で)ロッドをあおり(もしくはリトリーブし)スプーンを浮かせて、またフォールさせ・・・を繰り返す方法も活性が低い時には効果的になります。
スプーンに合うのはどんなロッド?
スプーンは激しくアクションさせるわけではないので、柔らかいロッドが適しています。
(硬いロッドでルアーにアクションを伝達させなくてもいい為)
自分の使いたいルアーウェイト(重さ)をカバーしているロッドで、ロッドアクションはウルトラライト・アクション(UL)表記のものがオススメです。
スプーンを選択するメリット
スプーンは昔からずっと使われ続けている歴史のあるルアーです。
それだけ釣れるルアーだからこそ、昔から使われ続けているのです。
そして、ミノーに比べて安価で手に入るという事が最も強いメリットではないでしょうか。
そう、スピナーと並んで(いや、それ以上に)スプーンはコスパが最強です。
まとめ
釣れるルアーとして昔から人気のあるスプーン。
多種多様な種類があり、非常に多彩な顔を持つスプーンですが、どんな状況でもマッチさせることができるのがスプーンの強みといえます。
カラー選択については、朝マズメ『赤金』『オレンジ金』⇒日が高くなってきたら『青銀』『緑銀』⇒真っ昼間『黒』『茶』『黄』のマッディな色を選択しましょう。
重さも3g~7gを用意しておきましょう。安価に手に入りコスパ最強なので数を揃えて、その時々の状況に合わせやすいのがスプーンのメリットですね。
そして、ロッドはUL(ウルトラライトアクション)が扱いやすいです。
スプーンの使い方も、流れを途中で横切らせる(ターンさせる)ようにただ巻きする。
食切らなかったら、トゥイッチを織り交ぜてリトリーブすれば、きっと良い釣果に恵まれるでしょう。